日本の山にオオカミが戻るかも知れない!?生態系管理の鍵は「天敵」

鹿の被害を軽減するためにオオカミの導入を検討動物たちの住む世界を保護することは大切です。
しかし、数を増す動物たちに、畑を荒らされる農家も増加していっています。
増え続ける動物への対応は、様々なものがありますが、目には目を、というように、他の動物を使った対処をしているところがあります。
そんな動物を使った例を、2つご紹介します。

日本各地で鹿の増加が問題視されていますが、静岡県伊豆でも、その被害は時代です。
鹿の食害によって木々は立ち枯れ、みかんやしいたけといった農作物も食い荒らされています。
被害額、年間1億円にものぼります。

鹿が増加した原因として、ハンターの減少と高齢化が挙げられます。狩猟者という天敵がいなくなった鹿は、その数をどんどん増やしています。

そこで今議論されているのが、オオカミを放つという方法です。
アメリカ、イエローストーン国立公園では、ハンターの力を使わずに、オオカミを放つことで鹿の数を減らすことに成功しました。鹿を捕食するだけでなく、鹿がストレスによって妊娠率を低下させたのも、増加を減らした理由です。

日本でも、すでに国会議員によってオオカミを里山に放つことへの議論が行われています。
ただ、とまどいや抵抗があるのも事実です。
オオカミが人を襲ってこないか、不安がる人もいます。

オオカミは、狂犬病にかかったりしなければ、ほとんど人を襲わない動物です。
そのため現在は、伊豆の住民の方々に、オオカミを放つことへの意見会を多く開いている状況です。

かわって、青森県下北半島では、国の天然記念物にも指定されている猿の被害が大きくなっています。
下北半島の猿は「北限の猿」とも呼ばれ、学術的な貴重さから昭和45年に天然記念物に指定されました。
しかし、保護されるようになってからはその数を増し、地元の農家の畑を荒らすようになりました。
頭数だけでなく、群の数が増えたことによって、猿の生息範囲は増えました。

そこで、猿の被害を減らすために、モンキードッグという犬が2匹、青森県にやってきました。
猿に、犬に追いかけられる恐怖を植え付ける事で、人里に降りてこないようにするのです。

モンキードッグを使った追い上げには、高い専門性が要求されます。下手に猿の軍団が分断させれば、群の数を増やしてしまうからです。
群れの形や付近の地形を調べて、猿の群全体を山奥に追いやる必要があります。

モンキードッグの効果もあってか、猿の被害は減りつつあります。

静岡県の鹿も、青森県の猿も、天敵の存在が鍵になっています。
自然の管理とは、ただ保護するだけでなく、時にはその数を減らそうとすることも必要なんです。