農家にも若者にも頼らない!逆転の発想で生まれた超巨大農業市場!

農業年商22億円。
愛知県に、多くの人がこぞって野菜を買い求めに来る、巨大農業市場があります。

愛知県今治市は、海運でにぎわう街です。海辺には造船工場が並びます。
また、タオルの製造は日本一で、工業が盛んな土地です。

特別農業がにぎわっている土地というわけではありません。
しかし、今や市場には200種類以上の野菜が並びます。
なぜ工業の街で地産地消の農業が実現したのでしょうか?

今治市には、放置された農地、耕作放棄地がたくさんありました。農家を次ぐ若者も少なく、農業が縮小していくのは目に見えていました。これは、日本全国で耳にするような話ですね。

そこで、農協は新しい戦略を打ち出しました。
それは、農家ではなく、小さな菜園を持つ一般家庭に市場での販売を持ちかけたことです。
家庭菜園より少し大きい程度で、農地とは呼べません。
しかし、様々な野菜が少しずつ作られているため、多くの家庭が少しずつ市場に出品すれば、非常に豊かなものが出来上がります、
「ひとつでもいいから出して欲しい」と声をかけ続け、2000年、94戸の農家から野菜を集めた「さいさいきて屋」が作られました。
その後、16億円をかけてさいさいきて屋は巨大な建物に立て替えられて、今や230台の駐車場が埋まるほどです。

この市場が成功した理由は、それだけではありません。
農家のやりがいを引き出す、巧みなシステムも作られているのです。

野菜の値段を考えるのは、農家です。
こっちの野菜は形がいいから○○円、こっちは小さめだからまとめて○○円、といった風に、自分たちで値段を決めて利益を上げます。
また、農家には毎日市場からメールが来て、売れた物やその日の利益を確認することができます。

新たな挑戦として、地元では作っていなかった野菜も作ってしまおうと動いています。
例えば、ジャガイモは北海道産が8割、ニンニクは青森産が7割、ゴマは外国産が9割という状況ですが、これらの野菜も今治で積極的に作ってしまおうと働きかけています。
地産地消の促進です。

今、市場に参加している農家は1200戸に上ります。
しかし、後継者不足の問題はいまだ続いています。

そこで、目をつけたのは、若者ではなく、定年退職した熟年世代。
平均寿命を考えると、10~20年は農業に勤しむことができ、また農業には定年がありません。
市場の裏に市民農園を作り、そこを熟年世代に貸し出して農業を体験してもらっています。
その畑から取れた野菜も、市場で売ることができます。

このように、今治市は様々な戦略を使って、地産地消ビジネスを成功させました。
これからの日本の農業体勢を考える上で、とても参考になる事例です。

 

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