エゾシカから森を守れ!北海道が打ち出した戦略は、「食べること」!

今、北海道で増え続けるエゾシカが問題になっています。
エゾシカの数は、65万頭。農林業への被害が増え続け、60億円の被害が出ています。車との接触事故も増え、森林を食い荒らすことによって生態系の破壊も起きています。

2012年2月には、自衛隊と協力して捕獲作戦が行われました。
地元のハンター、役場の職員らも集まり、434人で3日間に渡って捕獲を行いました。
捕獲された鹿は92頭。北海道庁は15万頭の捕獲を目指しています。道庁は「エゾシカ対策室」を作り、このために14人の職員を集めています。

この対策方法として注目されているのが、鹿を食べること。
焼き肉チェーンの牛角は、北海道内の店舗でエゾシカの肉を扱っています。

道庁も「エゾシカ肉ひろめ隊」というキャンペーンを展開し、多くの人に鹿肉の存在を知ってもらい、野生動物を食べる抵抗感を減らしてもらおうと動いています。

資源管理システムの強化も必要です。
今鹿肉は、ハンターが鹿を獲り、それを業者が加工し、一般家庭のもとに届くという構図です。
消費者が鹿肉を多く求めれば、加工業者もハンターにより多くの鹿を求めることになり、鹿の捕獲数は増えていくと考えられるからです。
釧路市阿寒町では、地域おこしの一環として鹿を使ったメニューを考案し、2010年から販売しています。地元の名物となりつつあり、経済効果は1000万円と言われています。

鹿は年間で2割増える動物なので、毎年2割以上捕獲しないと増える一方ということになります。

しかし、鹿肉の普及の問題点として、普及がうまくいっていないという面があります。市の委託で329頭を獲ったものの、使い道がなくゴミとして埋められているという現状もあります。

加工業者も苦難を強いられています。
野生動物を使ったビジネスは、安定した仕入れが見込めません。ハンターの側も、肉の味を保つため、鹿の首から上を正確に狙わなければいけませんし、射殺したら1時間以内に加工業者に持って行かないと肉の味が落ちています。

そのため、鹿を生け捕りにして加工するまで育てておく、養鹿(ようろく)を行う会社もありますが、餌代、施設維持費、人件費などでコストが割高になってしまいます。

鹿肉の普及を目指す上で必要なのは、需要の拡大。
みんなが鹿肉を食べたい、と思うようにしなければいけません。
そのためには、「駆除のために鹿を食べよう」ではなく、「おいしいから鹿肉を食べよう」と感じてもらわなければいけません。

安定した流通の確立と、鹿肉の存在を知ってもらう事。
それが北海道のエゾシカ被害を抑える鍵になりそうです。

 

おすすめ記事

地球温暖化で住む場所を奪われる動物たち

増え続ける動物がいる一方、地球温暖化の影響で住む場所を失っている動物たちがいます。