原発の廃炉作業にも技術者は必須!深刻な原子力関連産業への就職離れ

広がる原子力産業離れ前回、福島第一原発の廃炉作業について、少し触れました。
使用済核燃料の格納方法の開発など、技術面での課題も募る廃炉作業ですが、原発は今、新たな課題に直面しようとしています。
それは、人材不足です。

原子力業界に学生を斡旋している日本原子力産業協会は、原発関連の仕事に着きたいという学生が減少していると指摘しています。
原発関連の企業を扱う説明会の参加者は、激減。昨年の4分の1しか参加しませんでした。
加えて、原発関連企業では、団塊の世代の退職が始まっています。廃炉や燃料処理、そして原発の安全運転といった面でも、技術と人材の不足という問題が起きているのです。

NHKが、原子力関連の大学・大学院に、受験者数の変化があったかアンケートを実施しました。47%は変わらないという回答でしたが、減ったという回答は37%でした。増えた、という回答は16%に留まりました。

福井工業大学も、受験者数の低下に頭を悩ます大学の1つです。福井は、全国で最も多くの原発を持つ県です。福井工業大学の原子力技術応用工学科も、数多くの現場の技術者を排出してきました。
しかし、福島の原発事故以降、受験者は半減。2012年の入学は、定員の半分以下の10人でした。
オープンキャンパスの原子力技術応用工学科の説明ブースにも、高校生はほとんど来ませんでした。今までの就職率100%という強みを押し出したものの、反応は強くありませんでした。「施設が動いていないと雇われない」「最稼働しなければ、就職先も減ると思う」そうした原発産業の不安定さを気にする声が多いようです。

東京大学の原発関連の学科も、社会とつながっている学問でなければ意味がないとして、新しいカリキュラムにはコミュニケーションの授業を取り入れました。
福島第一原発の事故は、技術といった表面的なものだけでなく、人間同士の連連携不足や、それを放置していた社会システムにも問題があるという考えからです。

このように、原子力関連の学科は新しい取り組みを始めるなど、学生の呼び込みに必死です。
それは何よりも、日本のためです。

技術者がいなくなれば、原子力発電所を廃炉にすることも、安全に運転することもままなりません。
技術者不足は、日本全体の問題なのです。

今後、全体の規模として原子力産業が縮小していくのは確実でしょう。
ただ、今後の日本の原発をどうしていくかという方針が定まっていない以上、不安定さから原発関連の職を目指す人が減るのは当然です。
原発のこれからを決定しない限り、技術者不足の傷は広まりそうです。

 

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