地方で大活躍!天候、時間に左右されない安定した再生可能エネルギー!

日本では、原子力発電、火力発電などが、主要な発電方法として私たちの電力を供給しています。
しかし、環境への負荷の観点から、再生可能エネルギーの導入も進んでいます。
政府としても、今後再生可能エネルギーの電力供給シェアを、全体の25〜30%にしたい考えです。
その再生可能エネルギーシェアの1割を、地熱発電で賄おうと検討されています。

地中の熱を利用して発電する地熱発電。温泉の多い日本では、比較的なじみやすい発電方法です。
そもそも、地熱発電には「フラッシュ方式発電」と「バイナリー発電」という2つの種類があります。
近年注目されているのが、バイナリー発電です。

フラッシュ方式とは、蒸気井という井戸から200℃以上の蒸気を取り出して、その蒸気で直接タービンを回します。これが、従来の地熱発電です。

バイナリー発電とは、温泉発電とも呼ばれ、数十〜百数十℃の熱を使って発電します。
「そんな低温では水が蒸気にならないのでは?」と思う方もいると思いますが、まさにそこがミソです。バイナリー発電で蒸気にするのは「水」ではないのです。

バイナリーとは「2つの」という意味であり、バイナリー発電も2つの特徴を持っています。それは
「熱を取り出す」
「その熱で気化させた蒸気でタービンを回す」
というものです。

気化させる媒体は水より沸点が低いため数十〜百数十℃の熱からでも十分気化させられるのです。
この方式は、地熱だけでなく、工場の廃熱からでも使えます。

沸点の低い媒体を気化させ、使い終わった温度の低くなった水は還元井という井戸から、今度は地中に戻されます。地中で温められ、その後また発電に使われるのです。

環境省の調査によれば、この方式が使える地熱の量は、日本に751万kWあるそうです。地熱開発を行う事業者が出した試算をエネルギー庁が検討したところ、現実的な数字としては2030年の時点で約30万kWを超える温泉発電が可能だそうです。

九州電力八丁原発発電では、2004年からバイナリー発電を稼働しています。それまでは従来のフラッシュ方式発電を行っていましたが、温度や圧力の低下でバイナリー発電へと以降しました。

川崎重工が使うバイナリー発電は、98℃の温水を使って、「HFE」(ハイドロフルオロエーテル)を気化しています。HFEの沸点は、34℃です。
HFEは気化してタービンを回したあとに、冷却され液体に戻されます。そしてまた気化させられてタービンを回すというサイクルが繰り返されます。

バイナリー発電自体は最新の発電方法ではなく、1970年代から工場の廃熱を活かすために開発されていました。しかし、普及することはなく、開発も中止されたままでした。
それが昨今の再生可能エネルギー促進の気運を受けて、低温で発電できるバイナリー発電が再び注目されるようになったのです。

地熱発電は、再生可能エネルギーの中でも、天候、時間といった外部からの影響を受けにくい、安定した発電です。有力な再生可能エネルギーとして太陽光発電も人気ですが、どうしても不安定さが残ります。
中でもバイナリー発電は、すでにある温泉や蒸気井を使って発電できるため、新しく井戸を発掘する手間がいらないのも、導入しやすい特徴の1つです。

バイナリー発電導入を進める温泉、ホテル事業者も増えています。自家発電や、固定価格買い取り制度で売電収入を上げるのが狙いです。

地熱発電の買い取り価格は1kWあたり42円、買い取り期間は15年です。
太陽光発電や風力発電といった「花形」に比べて地味な印象の地熱発電ですが、従来のフラッシュ方式発電とバイナリー発電の両軸で、日本の電力供給を支えていくことが期待されています。

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